
経済学部枠でイギリス・グラスゴー大学に留学されていた木本成美さんにインタビューさせていただきました。
プロフィール
名前:木本成美
学部:経済学部
留学先:イギリス・グラスゴー大学
留学期間:2019年秋~2020春 (パンデミックのため早期帰国)
経済学部枠派遣交換留学のための準備はどのようにされましたか?
学内選考:昨年度の派遣生にエッセイの添削をしてもらいました。また、経済学部枠は面接が英語で行われることが多いので、聞かれそうな質問の答えをあらかじめ準備していました。また、海外経験のある従妹に練習に付き合ってもらっていました。
学内選考通過後:所属していたK.E.S.S.という英語サークルの先輩でグラスゴーに留学されていた方から現地の話を聞いて準備の参考にしていました。また、全塾の派遣内定生に連絡を取って情報交換をしていました。
留学を志したきっかけはなんですか?
帰国子女の従妹がいたので、幼い頃から漠然と海外に対する憧れや英語を喋れるようになりたいという思いがありました。その思いがより強くなったのは、高校生のときに地元石川県で開催された日本の高校生向けのバイリンガルサマースクールに参加したときです。自分が学校・部活・塾の往復しかしていなかった一方、周りの参加者は海外経験をはじめとしたさまざまな経験をしており、自分の中の漠然とした海外への憧れが留学をしたいという具体的なものに変化しました。高校での留学は卒業年度が替わってしまうことから断念したのですが、大学では絶対に留学するぞという気持ちをもって慶應に入学することとなりました。2年生のときにケンブリッジ大学での短期研修に参加し、長期での海外経験がしたいと確信し、経済学部枠派遣交換留学への出願を決意しました。
なぜグラスゴー大学を留学先にされたのですか?
ケンブリッジ大学での短期研修の際に古き良きイギリスの雰囲気に魅了されイギリスへの留学を目指し始めました。また、グラスゴーに留学されていた先輩のSNS等からもその雰囲気が気に入り、グラスゴー大学を第一志望にしました。
留学先ではどのような勉強をされていたのですか?
経済学系の授業を中心に自身の興味関心に沿って様々な授業をとっていました(経済の歴史、マーケティング基礎、組織経済論、スコットランドの文化、エンパワーメント、アジアの宗教等)。グラスゴー大学では幅広い分野の授業を取ることができ、友人にはバグパイプの授業等少し珍しい授業を取っている人もいました。マーケティング基礎の授業では自分以外のグループワークのメンバーがスコットランド出身のグラスゴー大学正規生だったこともあり、語学面で苦労した思い出があります。一方で、スコットランドの国民性や文化、訛りを実践的に学べたとも感じています。
留学先で課外活動はされていましたか?
日本に興味のある人が集まるジャパンソサエティという団体に所属していました。主な活動としては大学付近のパブで毎週開催されるイベントやムービーナイト、季節ごとのイベントなどがあります。また、ヨガサークルにも所属していて大学の体育館でヨガをしていました。慶應ほどではないかもしれませんが、グラスゴー大学にもたくさんのサークルがあるので幅広く楽しく活動できると思います。
留学中の楽しかった思い出を教えてください。
ジャパンソサエティのメンバーとランチをしたり小旅行したりクリスマスマーケットを訪れたりと何気ない毎日がとても楽しかったです。フラット(グラスゴーでは5・6人で住居をシェアするフラットというシステムを利用していました)のメンバーにもう一人日本人の学生がいたので、その子と協力して日本食をつくってパーティーをしたり、逆に中華料理やマレーシア料理を振舞ってもらったりと、フラットメンバーやその他友人とお互いの文化を体験しあうのもとても新鮮でした。外から見た日本人像など、新たな気づきも多かったです。日本文化を伝えるという面では、日本文化発信イベントの手伝いをして書道や折り紙、着付けなどをしたのも印象に残っています。
旅行もまた留学生活の楽しかった思い出のひとつです!同じ時期に留学しているゼミの同期が5・6人いたのですが、年末にフランスに集合して旅行しました。比較的簡単に様々な国に旅行することができるのもヨーロッパ留学の醍醐味だと思います。
留学中の大変だった思い出を教えてください。
学業面においては、グラスゴー大学の授業スタイルになれるのが大変でした。慶應では予習を必要とせず出席だけすればよい授業もありますが、グラスゴー大学では基本的に事前に文献を読む、意見を準備する等授業前の予習が求められます。最初はそのスタイルや勉強寮に慣れず大変でした。
生活面においては、日本では実家暮らし、一人部屋の寮生活が基本だったので、フラットでの共同生活にも戸惑うことがありました。特別嫌なことはなかったのですが、生活の仕方がそれぞれ異なるのでその中でのコミュニケーションや折り合いのつけ方に最初は苦労しました。
また、大変だったこととは少し異なるのですが、コロナのパンデミックで早期帰国になったことはとても残念でした。慶應や外務省からの指示が特になかったので自分でタイミングを見計らって行動するのは大変でしたし、留学生活に関わってくれた人たちに最後の挨拶が十分にできなかったことは寂しかったです。
留学を通して得られたものはなんですか?
自分一人で意思決定する力、予想外のことにも臨機応変に対応する力がついたと思います。留学先では一人で決定しなくてはならないこと、自分から動かなければならないことが多くあり、その面で鍛えられたと感じています。その一方で、多くの人に支えられて留学を実現できたので、その方たちへの感謝の気持ちも大きいです。箱いっぱいの日本食を送ってくれた両親、エッセイを添削してくれた先輩、苦戦している授業で助けてくれた友人たちなど挙げるときりがありません。身近な人への感謝の気持ちを再確認させてくれたのも留学で得られたことだと思っています。
最後に後輩に一言お願いします!
コロナの影響で留学の実現が見通せない中、留学を目指すのは大変だと思います。それでも得られるものはたくさんあるので少しでも迷っている人には挑戦してほしいです!
また、今回のインタビューでグラスゴー大学に興味をもつ人が増えたらとても嬉しいです!
【番外編】
スコットランドの特徴
グラスゴーは特にGloomy Glasgowと呼ばれるほど曇りが多く、陽も短いです。一番天気がよい季節と言われている春にはコロナの影響で帰国しなければならなかったのでとても残念でした。また、大学などでは感じませんが、街の人とコミュニケーションするときはスコティッシュ訛りの英語で話されることが多く、スコットランドならではの体験でした。
飛行機ボイコット事件
留学出発のタイミングでちょうど航空会社のストライキに遭遇し、ヒースロー・グラスゴー間の飛行機を当日に取り直すというハプニングが起きました。無事、同日の飛行機に乗れたのですが、時間が遅かったために大学が用意してくれたバスに乗れず、その日はグラスゴー空港のホテルに一泊しました。次の日に自分でタクシーを呼んで大学まで移動したのですが、英語、とくにスコティッシュに慣れてない中のコミュニケーションにはとても苦労しました。このように留学中は予期せぬことが沢山起きていました!