Posted on: 2019年7月20日 Posted by: kepro-keio Comments: 0

プロフィール

名前:伊藤花

留学時の学部学年:法学部政治学科3年

留学先での専攻:開発学、政治学

留学先での言語:英語


Q. なぜルンド大学を選んだのですか?

まずスウェーデンを選んだ理由は医療費や大学まで学費が無料など、世界的に社会保障が最も充実・発展しているとされる国の一つだからです。社会保障という面ではノルウェーとスウェーデンの二か国が候補にありましたが、より社会保障を強みとしてアピールしているように見えたのがスウェーデンでした。
ルンド大学を選んだ理由は、スウェーデンの名門校の一つであり留学生も多かったからです。また、南方にありスウェーデンの中では気候が穏やかで過ごしやすいだろうと思いました。実際に滞在中は雪もほとんど積もりませんでした。

Q. 留学先ではどのような授業を受講しましたか?

前期
Development and social welfare policies
Development studies: development in a historical perspective
後期
Swedish social policy(社会保障政策)
Swedish
Social work in Sweden
Swedish politics
前期は本科生向けに英語で開講されている授業、後期は留学生用の授業をメインで受講していました。
受講内容は主に開発学、社会保障、政治学などです。
Social work in Swedenではフィールドワークが7回ほどあり、実際に教会やNGO、ユースクリニックなどソーシャルサービスを提供している様々な機関に出向いてお話を聞きました。ソーシャルワーカーなどのサービス提供者と利用者双方の話を直接聞けたのは貴重な経験でした。
社会保障政策に関する授業では現在の充実した社会保障制度がどのように発展してきたかという歴史と、現在どのような問題を抱えているかといったあまり知られていないマイナス点も含め、包括的に学びました。マイナス点に関しては留学し実際に現地に暮らす人と話さないとわからない点が多かったと感じます。

Q. 留学先で勉強面で印象的だったことを教えてください

Social work in Swedenの一環で訪れたユースクリニックが印象的でした。ユースクリニックとは性教育や性に関するカウンセリング、心理カウンセリングなどを目的とした医療機関の役割ももつ公的機関です。14ー23歳(地域による)の若者を対象とし、地方自治体ごとの運営により無償でサービスを提供しており、大きめの街には必ず一つはあるそうです。親や学校にも知られずにサービスを受けられるという高いレベルの守秘義務をとっており、低用量ピルやアフターピルの処方、避妊具の提供、また賛否はありますが中絶までも本人が希望すれば誰にも知らせずに行うことができます。
また私がとても大事な役割だと感じたのは、学校の授業の一環として提供する性に関するレクチャーです。約95%の学校が利用してるらしく、このようなサービスの存在とアクセスのしやすさを多くの若者が知っています。内容は質問カードを使ったQ&A方式のアクティビティ、性器の模型を使った説明、短い動画による合意の大切さの強調など、日本の性教育とは比べ物にならないくらい具体的で自信を持った教育でした。
日本では性を話題にすること自体がタブー視され曖昧にされていることが多いと感じます。しかしスウェーデンも家庭で話題になることは少なく完全に抵抗がない文化というわけではないそうで、だからこそしっかりと公的なシステムとして充実してることが大事なのだと思いました。
ちなみにスウェーデン完璧ーーすごーーって思うかもしれないけど、もちろん問題も抱えています。需要に対してスタッフが不足していて、ルンドではアポを取るのに、心理カウンセリングは約4ヶ月、低用量ピルの処方は3〜4週間かかるとのことです。(もちろんアフターピルや性的暴行被害者のケアはすぐに対応してくれます)

Q. 留学先ではどのような課外活動をしていましたか?

ブラスバンドに所属していました。週一回の練習と年間に10回ほどの演奏会がありました。ほぼ全員がスウェーデン人で合奏もスウェーデン語で行われていましたが、スウェーデン人はみんな英語を話せるので複雑なことは近くの人に通訳してもらいました。また秋のスウェーデン大会、春のイギリスでの大会のための遠征旅行はとても思い出に残っています。留学中も継続して音楽をできただけでなく、スウェーデン人たちを合宿のような近い距離で関われたことはとても貴重な機会だったと思います。

Q. 留学生活で一番思い出に残っているエピソードを教えてください

ビーガンの人が身近に多いことと、ビーガンに対して社会が寛容であることが印象的でした。具体的には多くのお店でビーガン用のオプションがあったり、友達同士でご飯を作るときもビーガンがいれば食材をビーガンに合わせるのが自然なことで、文句をいう人はいませんでした。ビーガンに限らず他人の社会への問題意識や価値観を受け入れ尊重しあう空気はとても心地がよかったです。日本では「意識が高い」と嫌煙されるような環境、性、政治、社会問題などに関して問題意識や価値観を発信することに抵抗がなくなりました。友達同士でこれらが話題になることも多く、「意識が高い」と距離をとったり小馬鹿にすることはなく、互いの価値観を受け入れる空気が新鮮でした。ただ受け入れるのではなく違う考えを持つ場合にはきちんとそれを伝え議論になる環境多く素敵だと思いました。

Q. 交換留学を考えている塾生がルンド大学を選ぶ上で注意する点は何ですか?

娯楽の少ない小さい街で暇な生活をするのが苦手な人にはおすすめしません。雪や気温は年によるようですが、長い冬(9月頃から 1,2月をピークに4月頃まで)の暗さは地味にきつかったです。その分、春に太陽と青空がある幸せ度は人生で最高でした。また強制的・義務的にたくさん勉強したい人には向かないと思います。アメリカとは比べ物にならないくらいに勉強量には自由度があり、単位を取るのも難しくありません。

Q. 交換留学を考えている塾生にルンド大学をオススメするとしたらどのような点ですか?

自転車で20分走れば大体にどこにでもアクセスできる規模の小さな街だったため、とても暮らしやすかったです。また、日用品の物価はそれほど高くなく、気候も比較的穏やかで、生活面では特に苦労しませんでした。
勉強面では履修の組み方にもよりますが平均して授業が週に2、3回と時間に余裕があったので、自分のペースで勉強を進めながら趣味に時間を割いたり友達との時間を大切にできた点が良かったです。ヨーロッパ各地へ旅行もしました。日本のせわしない生活とは全く異なるゆっくりとした時間の流れの中で生活できました。また私は日本にいる時よりも友達と過ごす時間が圧倒的に多かったと思います。放課後にカフェでおしゃべりしたり、クッキングや飲み会で2.3時までおしゃべりしていたり(とても治安がよく自転車で帰れる距離なのでルンドでは普通のことのようでした)、お金のかかる娯楽がないのでひたすらおしゃべりしていました。スウェーデンのことを知るだけでなく、日本について考えたり調べたりするいいきっかけにもなりました。
 クラブやパーティに行ったり電車で10分の隣の都市に遊びに行っている人もいました。